ママこれゆがんじゃってるよ！ と言われたエタニティリング

PLANT / PLANT から、ベーシックジュエリーのラインがスタートしています。


ベーシックな、シンプルなデザインというのは、

あまりにも競合するデザインが多いために、

デザイナーにとって、とても頭を悩ませるものです。


PLANT / PLANT らしいシンプルとは何か、ということを

常々、頭の中で考えながら答えを導き出して行きます。

そんなわけで　この、一見、なんでもない

エタニティリングを一つ作り出すのに、構想からずいぶんとかかって

お店に並ぶことになりました。


先日の新宿伊勢丹4階のイベントではいち早くご紹介していましたが、

皆さん、この数ミリの違いに気が付いて下さって

手に取られる方が本当に多かったです。

このリング、


ガタ ガタ　ガタ　ガタ   しています。


整然とダイヤモンドを並べることは職人にとってなんでもないことですが、

この少しづつ歪んで、不均等に折れ曲がったラインを ”正確に” つくるのは

あまりに職人泣かせな仕事だったと、思います。



それでも、この不均衡なリングを作った意義があると

できあがった最初のリングを見て、そして実際に指にして確信したのでした。


一直線でないダイヤの列は、どこか指にしっくりと、

優しく馴染んで見えて、まるでずっとそこにあったかのように感じます。


どこにもない、エタニティリングが完成した瞬間でした。


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まだ新作の公表をする前に、伊勢丹でこのエタニティリングをディスプレイしていましたが、

ふと通りかかった娘さんが目ざとく見つけてくれて、でも

すごく申し訳なさそうに、


「ママ、これゆがんじゃってるよ！」


とママに報告していました。


「ほんとね、手作りだから、歪んじゃうのね。 しょうがいないのよ。」


優しく諭してくれていたのでした。