狩猟自然博物館は、パリの中でも先進のファッションエリアとも言える
マレ地区のどまんなかに位置する。
おしゃれな人々が行きかうこの通りに、いままで、こんな博物館があったことに
気付かず、素通りをしていました。
ソフィ・カルの展示があると聞き、始めて入るこの博物館は、まさに異世界。
いきなり、シロクマのはく製が、仁王立ち。
白くまに驚いて、部屋を見渡せば、
天井の上まで展示されたはく製にさらに圧倒されます。
この博物館のアイコンでもある白くまに白い布が被せられたソフィカルの作品で、
展示がスタートします。
まるで亡霊のようなこの絵画に書かれた文章を、小さな子供とおばあちゃまが一生懸命読んでいました。
残念ながら、多くのフランス語の内容を理解することはできなかったけれども、
それでも何かまがまがしくも美しい展示がスタートすることはひしひしと感じるのでした。
博物館が、ソフィにジャックされ、実物と虚像とはく製と美術品の境界線がゆがむ。
いつしか観ているこちら側も、からみあう境界線で充満する部屋の一部に取り込まれ、
今生きていることと死ぬことの概念すらもあやふやに、もしくは、深く考えずにはいられなくなるのです。
こうして、ソフィの作りだす4次元の世界に辿りついてしまった私たちは、
どうかこの世界が終わらないで欲しいと
心のどこかで思いながら、
最後の展示室へと足を進めるのでした。
狩猟自然博物館
Musee de la chasse et de la nature
11:00~18:00
月・祝 休館
8€
http://www.chassenature.org/
ソフィカルの展示について
http://www.chassenature.org/sophie-calle-et-son-invitee-serena-carone/
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