北イタリアに位置するパドヴァは、ベネチアから30分ほどの車窓の旅だ。
9世紀には都市として存在し、13世紀に栄えた歴史を持つ、ヨーロッパの中でも特に古い街であり、
ヨーロッパ最古の植物園がある。
ウィーンの宮殿につくられた大型温室、ロンドンの大植物施設KewGardens、
そんな贅をつくした温室とは、ここは一線を画す。
いつの時代から水を吹いているのか、なんとも愛すべき噴水が出迎えてくれる。
眠れる森に彷徨いこんだか。
古い壁の割れから、太いツルを伸ばして自己の領域を拡張している植物たち。
そうかと思えば、もう誰も管理していないような、打ち捨てられた鉢の
苔の間から、謎の新生物かのごとく新芽をぴょんぴょんと生やして
ガラスの向こうから何やら主張している。
ヨーロッパ最古の温室、パドヴァ植物園。
このまま居たらきっと自分もあの時間の中に取り込まれてしまいそうな場所を、
惜しまれつつ後にする。
[ Orto Botanico 1545 ]
Padova Botanical Garden, ITALYA
http://www.ortobotanico.unipd.it/
0 件のコメント:
コメントを投稿